ことづて

気になる話題を気になるあなたに

シリア内戦の原因を子供にもわかりやすく解説【地図あり】

 

化学兵器を使用したことによって話題になっているシリア。

シリア国内の内戦というのが化学兵器使用の要因となってしまったわけですが、そもそもどうして内戦は起きてしまっているのでしょうか?

国内のケンカの原因を子供にも分かるように解説したいと思います。

<スポンサーリンク>
 

シリアは世界地図でどの辺?

f:id:soutanion:20170410131245p:plain

日本との位置関係で見ると分かりやすいと思います。

シリアがあるのは一般的に「中東」と呼ばれている地域になります。

ただ、中東というのは、実はどこからどこまえでという正確な線引がありません。

なので、大体以下の画像の◯の中辺りだと理解してもらえればOKです。

f:id:soutanion:20170410132222j:plain

シリア内戦の登場人物

まずは登場人物から理解していきましょう。

シリア内戦は以下の3つの勢力の争いです。

  • シリア政府軍
  • 反政府軍
  • ISIS(イスラム軍)

元々はシリア政府軍と反政府軍の争いだったのですが、途中からISが参戦してきました。

まずはこの3人が戦っているということを理解しておくと、この先の話が理解しやすくなります。

 

内戦の原因は?

最初に内戦を始めたのは、シリア政府軍と反政府軍。

シリア政府軍 VS 反政府軍

という図式ですね。

争いの原因はズバリ「宗教の違い」です。

日本人だと、「そんなことで!?」と思う人も多いと思います。

しかし、ほとんどの戦争は宗教の違いによって生まれているとも言われるぐらい、信じるものの違いというのは根深い問題なのです。

 

<スポンサーリンク>
 

シリア国民が信仰する3つ宗教

内戦の原因は宗教の違いということでしたが、シリアには以下の3つの宗教があります。

  • スンニ派 74%
  • アラウィー派 16%
  • 東方正教会 10%

(※パーセントの数値はシリア内での支持率です。)

シリア政府軍はアラウィー派

反政府軍はスンニ派

となっています。

普通であれば、大衆に支持されているスンニ派が政府軍じゃないの?と思う方も多いと思います。

ここがこの内戦の大きなポイントのひとつです。

 

アサド政権への不満

現在シリア政府軍のリーダーはアサド大統領なのですが、そのアサド大統領が信仰している宗教こそがアラウィーなのです。

アサド大統領の政治は独裁政権と言われていて、国民の意見ではなく、自分の価値観を中心に国を統制しています。

その結果、アサド大統領はアラウィー派の市民を意図的に優遇するようになりました。

そうなると、スンニ派の国民はアラウィー派へのえこひいきに不満爆発です。

そこで、スンニ派の不満を抱えた市民が集って「アサド政権を潰そう」と結集された組織が反政府軍なのです。

 

<スポンサーリンク>
 

ISISという組織の介入

その2つの勢力が争っているところに突如として現れたのが「ISIS(イスラム軍)」という組織です。

ISIS(イスラム軍)とは?

ISISというのは、「イラン・シリア・イスラム国」の略称です。

実はイスラム国というのは、正式な国名としては存在していないんです。

よく「イスラエル」のことだと思っている方もいらっしゃいますが、全くの関係ありません。

ISISは、イランとシリアの国民の中のスンニ派の人たちが集まって出来た組織です。

スンニ派の集りという点では反政府軍と似ているところがありますが、ISISと反政府軍では目的が全く違います。

ISIS(イスラム軍)の目的とは?

ISISの目的は、文字通りイスラム国を作ることです。

今は一勢力でしかないイスラムを正式な国家として樹立させたいということですね。

それを武力によって行おうとしているのがISISという組織です。

反政府軍は政府軍を倒すことが目的

イスラム軍は自分たちの国を作ることが目的

同じスンニ派でもこういった目的の違いがあります。

ちなみにイスラム軍は以下の青い地域を制圧することを目的としています。

f:id:soutanion:20170410141944j:plain

ISIS(イスラム軍)がシリア内戦に介入した目的

イスラム軍がシリアの内戦に介入した理由は単純です。

それは、シリアを制圧するチャンスだと見たからです。

争ってお互いに消耗しているところに介入して全てをかっさらってしまおうという考えです。

最終的には、政府軍も反政府軍も食ってしまおうと考えているわけです。

この介入が内戦を余計ややこしくしています。

 

政府軍 VS 反政府軍にはアメリカとロシアも関係

実は政府軍と反政府軍の争いには、宗教戦争というだけじゃなく、代理戦争という背景も含まれています。

それぞれの大国にはそれぞれ支援者がいます。

  • 政府軍→ロシアが支援
  • 反政府軍→アメリカが支援

なので、この内戦には、ロシアVSアメリカという側面も含まれているのです。

と言っても、トランプ政権になってからはアメリカとロシアの関係は改善されていくのでは?とも言われていました。

しかし、今回アメリカがシリアの政府軍へミサイル攻撃を仕掛けたことによって、ロシアのプーチン大統領は怒り心頭です。

なので、これからアメリカとロシアの関係は結局は悪くなってしまうのかもしれません。

 

まとめ

  • シリアの内戦の原因:宗教の違い、アサド政権の独裁政権のせい
  • イスラム軍の介入:内戦に乗じてシリアをまるごと制圧しようと企んでいる
  • 代理戦争の側面:シリアの内戦にはアメリカVSロシアという背景もある

ひとまずこの3つだけでも抑えておくと、シリアの内戦に関しては理解しやすくなるかと思います。

なんとなく全体像を理解してもらえれば幸いです。

<スポンサーリンク>